キルギス共和国

一般事情

1.面積

19万8,500平方キロメートル(日本の約2分の1)

2.人口

550万人(2013年:国連人口基金)

3.首都

ビシュケク(Bishkek)

4.民族

キルギス系(72.6%)、ウズベク系(14.5%)、ロシア系(6.4%)、ドウンガン系(1.1%)、タジク系(0.9%)、ウイグル系(0.9%)その他タタール系、ウクライナ系など(キルギス統計委データ)

5.言語

キルギス語が国語。(ロシア語は公用語)

6.宗教

主としてイスラム教スンニ派(75%)、ロシア正教(20%)、その他(5%)

7.略史

年月略史
17~18世紀頃までにキルギス人の民族形成が進行
18世紀後半~19世紀前半 コーカンド・ハン国による支配
1855年~1876年 ロシア帝国に併合
1918年 ロシア連邦共和国内の一部としてトルキスタン自治ソビエト社会主義共和国成立
1924年 中央アジアの民族・共和国境界確定により、ロシア連邦共和国内のカラ・キルギズ自治州となる
1926年2月 キルギス自治ソビエト社会主義共和国成立
1936年 ロシア連邦共和国から分離し、ソ連邦を構成するキルギス・ソビエト社会主義共和国に昇格
1990年6月 オシュ事件(キルギス人とウズベク人の民族間衝突)
1990年10月 アカーエフ大統領就任
1990年12月15日 「キルギスタン共和国」に改名、国家主権宣言
1991年8月31日 国家共和国独立宣言
1993年5月 国名を「キルギス共和国」に変更
2005年4月 政変によりアカーエフ大統領辞任
2005年7月 バキーエフ大統領当選
2009年7月 バキーエフ大統領再選
2010年4月 政変によりバキーエフ大統領辞任
2010年6月 南部にてキルギス系とウズベク系住民の大規模衝突
2010年6月 国民投票により、新憲法採択
2010年7月3日 オトゥンバエヴァ大統領就任
2010年10月10日 議会選挙実施
2010年12月 連立与党結成・新内閣発足
2011年12月 アタムバエフ大統領就任

政治体制・内政

1.政体

共和制

2.元首

アルマズベク・アタムバエフ大統領(2011年12月1日就任)

3.議会

 一院制(定数120)。2003年の憲法改正により二院制から一院制に移行。2007年10月の新憲法採択により定数を75から90に、2010年7月の新憲法案では120に拡大。

4.政府

• (1)首相 ジョオマルト・オトルバエフ

• (2)外相 エルラン・アブディルダエフ

5.内政

• 1991年の独立以来、アカーエフ大統領の下、いち早く民主化及び市場経済化を軸とした改革路線を打ち出す。1998年にはWTOの加盟(旧ソ連諸国で初)も果たした。

• しかし、資源に乏しい同国の経済は伸び悩み、国民が経済改革の成果を享受できない中で、野党勢力の反政府運動が高まった。

• 2005年2月末の議会選挙での不正をきっかけとして、野党勢力により南部で開始された反政府運動が首都に及ぶと3月、アカーエフ政権は崩壊。野党勢力指導者のバキーエフ元首相が大統領代行兼首相に選出され、7月の大統領選挙で当選し、8月に就任した。

• しかし、バキーエフ政権の下でも、政治・経済改革は遅々として進まず、政情不安定が続いた。

• 2010年4月、国民の不満が高まり、大規模なデモが発生した。治安当局との衝突(犠牲者86名)の末、バキーエフ大統領は出国し、辞任。オトゥンバエヴァ元外相を議長とする「暫定政府」が発足した。その直後の2010年6月10日、南部オシュにおいて、キルギス系及びウズベク系の住民の間で民族衝突が発生した(死者300名以上、難民・国内避難民約40万人)。

• 2010年6月27日、キルギス新憲法案の是非など(オトゥンバエヴァ移行期大統領の信任を含む)を問う国民投票が実施された(投票率70%以上、賛成票90%以上)。オトゥンバエヴァ大統領は同年7月3日に就任(任期2011年末)。

• 2010年10月10日議会選挙を実施。同年12月、社会民主党、共和国党及び「アタ・ジュルト党」による連立政権が成立し、アタムバエフ社会民主党党首を首相とする新内閣が発足。

• 2011年10月、大統領選挙を実施。アタムバエフ大統領が当選した(12月1日就任)。

外交・国防

1.外交

• (1)ロシアとの良好な関係維持を重視(特に安全保障面、貿易等経済面で、密接な関係を有する)しつつ、中国や米国といった大国の中でのバランス外交を標榜。

• (2)CISの枠内で、1996年3月にロシア、ベラルーシ及びカザフスタンと関税同盟条約及び統合強化条約を締結(両条約には後にタジキスタンが参加)。関税同盟は後にユーラシア経済共同体に発展。上海協力機構(2007年議長国、同年8月ビシュケクにおいて首脳会合開催)、CIS集団安全保障条約機構(2008年議長国、同年10月ビシュケクにおいて首脳会合開催)等にも積極的に参加。

• (3)1998年10月、同国はCIS諸国で初のWTO(世界貿易機関)加盟国となったが、近年ロシアが主導する関税同盟への加入の動きを強めている。

2.軍事

• (1)総兵力10,900人(陸軍8,500人、空軍2,400人)、準兵力9,500人(ミリタリー・バランス2014)

• (2)1997年及び1998年、米軍及び中央アジア・コーカサスの一部諸国の軍隊と合同で、中央アジア合同軍事演習(Tsentrazbat)を実施。また、キルギスは、上海協力機構の枠内で実施されている対テロ共同軍事演習に、しばしば参加。

• (3)2001年12月以降、米軍がアフガニスタンにおける対テロ作戦実施のためキルギス・マナス空港に駐留し、2009年6月以降はマナス中継輸送センターとして、実質的な継続使用を行ってきた。2013年6月、アタムバエフ大統領の下、キルギス側は基地契約を延長しない旨決定し、2014年7月に米軍は撤退した。

• (4)2003年10月以降、集団安全保障条約機構(CSTO)の枠組みの下で、露空軍が駐留している(カント基地)。

経済

(カッコ内は出典)

1.主要産業

農業・畜産業(GDPの約3割)、鉱業(金採掘)

2.GDP

72.3億ドル(2013年:IMF)

3.一人当たりGDP

1,158ドル(2012年:IMF(暫定))

4.経済(実質GDP)成長率

10.53%(2013年:IMF)

5.物価上昇率

6.6%(2013年:IMF)

6.失業率

7.7%(2012年:IMF(暫定))

7.総貿易額

(1)輸出

17.90億米ドル

(2)輸入

60.70億米ドル

(2013年:キルギス国立銀行)

8.主要貿易品目

(1)輸出

貴金属・真珠・宝石、化学製品、鉱物製品、繊維製品、野菜・果物

(2)輸入

鉱物製品、機械設備、化学製品、運輸関連製品、食料

(キルギス共和国統計委員会)

9.主要貿易相手国

(1)輸出

スイス、ロシア、ウズベキスタン、カザフスタン、トルコ

(2)輸入

ロシア、中国、カザフスタン、米国、日本、ドイツ

(キルギス共和国統計委員会)

10.通貨

ソム(Som:1993年5月10日導入)(CIS統計委員会)

11.為替レート

1ドル=52.51ソム(2014年5月現在:キルギス国立銀行)

12.経済概況

(1)産業構造

 キルギスの主要産業は農業及び牧畜業(GDPの約3割)、農畜産物を加工する食品加工業、金採掘を中心とする鉱業である。エネルギー資源には恵まれていないが、水資源が豊富。

(2)経済改革及び経済成長率

 キルギスは、独立後、1992年の価格自由化を皮切りに、IMFの緊縮財政勧告に従って急進的市場改革路線を推進した。ソ連崩壊の混乱の中で経済不振が続いたが、1996年に独立後初めてGDPがプラスに転じた。その後、1998年ロシア金融危機の影響を受け、財政が逼迫するなど危機もあったが、基本的にはプラス成長が続いている。(但し、2002年、2005年、2010年及び2012年はクムトール金鉱の金生産の減少の影響でマイナス成長)。

 基本的にクムトール金鉱山の生産状況とロシアやカザフスタンへの出稼ぎ労働者の送金に依存する経済であり、2013年10%以上の成長となったが、ウクライナ情勢の影響を受けて今年は成長が減速する見込み。

(3)累積債務問題

 従来から多額の累積債務を抱えており、2013年末で60億ドル(GDPの80%以上)。2002年3月にはパリクラブにおいて返済計画の組み直しが合意されている。その後、国内で重債務貧困国(HIPC)プログラム参加の可否が議論されたが、2007年2月不参加が決定された。

経済協力

1.日本の援助実績

• (1)有償資金協力 256.65億円(2012年度までの累計)

• (2)無償資金協力 160.39億円(2012年度までの累計)

• (3)技術協力     128.52億円(2012年度までの累計)

2.主要援助国

米国、ドイツ、スイス、日本、英国

DAC諸国のODA実績(過去5年)(支出純額ベース、単位:百万ドル)
暦年1位2位3位4位5位合計
2008年 米国 63.6 ドイツ 21.3 英国 13.7 日本 12.4 スイス 10.9 142.4
2009年 米国 52.5 ドイツ 24.0 スイス 18.2 日本 17.8 英国 8.9 139.6
2010年 米国 56.0 ドイツ 25.3 日本 23.2 スイス 17.6 スウェーデン 9.3 158.5
2011年 米国 65.0 ドイツ 32.8 日本 29.9 スイス 23.1 英国 11.9 176.2
2012年 米国 57.3 ドイツ 22.9 スイス 22.8 日本 19.6 英国 6.4 140.0

出典:DAC/International Development Statistics)

二国間関係

1.政治関係

(1)国家承認日 1991年12月28日

(2)外交関係開設日 1992年1月26日

(3)日本大使館開館 2003年1月27日

(4)在日キルギス大使館開設 2004年4月

1991年12月の独立以降、積極的なODA供与も背景に両国関係は進展。

また1995年5月、日本は市場経済化促進のための人材育成を目的とする「キルギス日本人材開発センター」を首都ビシュケクに開設。

1999年8月、南部バトケン州にて国境を越えて侵入してきた武装勢力による邦人誘拐事件が発生。10月に無事解放。

2.経済関係

日本の対キルギス貿易(2013年:財務省貿易統計)

輸出 98.6億円(機械類及び輸送用機器、自動車、建設用・鉱山用機械)

輸入 0.8億円(アルミニウム及び、同合金)

3.文化関係

(両国間には当初旧ソ連との間で締結、その後キルギスとの間で承継した文化協定あり。)

一般及び草の根文化無償資金協力 計10件 計2.91億円(2012年度まで)

最近の事例

一般文化無償資金協力(実施額)

2010年度 体育庁柔道器材整備計画(69.2百万円)

草の根文化無償資金協力(供与限度額)

2011年度 民族和解のためのオシュ市ウズベク公民館整備計画(8,216,747円)

4.在留邦人数

136人(2012年10月現在)

5.在日当該国人数

246人(2013年12月:法務省)