カザフスタン

一般事情

1.面積

272万4900平方キロメートル(日本の7倍。旧ソ連ではロシアに次ぐ)

2.人口

1,640万人(2013年:国連人口基金)

3.首都

• アスタナ

• (Astana:旧アクモラ。1997年12月10日にアルマティより遷都。日本はJICAによる新首都アスタナの建設計画作成支援を実施し、基本設計は故黒川紀章氏が担当した)

4.民族

カザフ系(64.56%)、ロシア系(22.35%)、ウズベク系(2.96%)、ウクライナ系(1.88%)、ウイグル系(1.42%)、タタール系(1.22%)、ドイツ系(1.08%)、その他(4.53%)

(2012年国家統計庁国勢調査)

5.言語

カザフ語が国語。(ロシア語は公用語)

6.宗教

イスラム教(70.2%)、ロシア正教(26.2%)(国家統計庁国勢調査)

7.略史

年月略史
14世紀頃まで 現在のカザフ人とほぼ同じ人種的特徴と、カザフ語とよく似た言語が定着
15世紀後半 遊牧ウズベク国家から分離し、キプチャク草原(カザフスタン)に勢力を拡大。カザフ・ハン国の成立
18世紀初 ジュンガルとの戦いの中でカザフ人の一体性の意識が明確化
18世紀初 大ジュズ、中ジュズ、小ジュズの三つの部族連合体に分裂
1730年代 カザフの支配層の一部がロシア皇帝に臣従
18世紀中頃 清朝にも朝貢
1820年代まで ロシア帝国、南部を除くカザフスタンを直接支配下に収める
1837年~1847年 ケネサルの反乱(カザフ人による対ロシア反乱)
1850年~1860年代 カザフスタン南部がロシア帝国に併合、カザフスタン全域がロシアの支配下に(ロシア人農民の大量植民)
1920年 ロシア連邦共和国の一部として「カザフ(キルギス)自治ソビエト社会主義共和国」成立(首都オレンブルグ)
1924年 中央アジアの民族・共和国境界画定により国境線の変更
1925年 首都をオレンブルグからクズィルオルダに移し、国名を「カザフ(カザク)自治ソビエト社会主義共和国」に変更
1929年 首都をアルマティ(アルマ・アタ)に移転
1936年 ソ連邦を構成するカザフ・ソビエト社会主義共和国に昇格
1986年12月1日 アルマ・アタ事件(カザフ人共産党第一書記コナエフ解任に抗議するデモに対し、内務省軍と警察による弾圧)
1990年4月24日 ナザルバエフ大統領就任
1990年10月25日 共和国主権宣言
1991月12月1日 ナザルバエフ大統領再選
1991年12月10日 国名を「カザフスタン共和国」に変更
1991年12月16日 共和国独立宣言
1997年12月10日 首都をアルマティよりアクモラ(現アスタナ)に移転
1999年1月10日 ナザルバエフ大統領再選
2005年12月 ナザルバエフ大統領再選
2011年4月 ナザルバエフ大統領再選

政治体制・内政

1.政体

共和制

2.元首

• ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領

• (2011年4月前倒し選挙により四選。任期は5年。)

3.議会

• 二院制

• (上院:セナート(定員47名、任期6年(3年毎に半数改選))、下院:マジリス(定員107名、任期5年))

4.政府

• (1)首相 カリム・マシモフ

• (2)外相 エルラン・イドリソフ

5.内政

• (1)ソ連邦カザフスタン共和国共産党第一書記・大統領からそのままカザフスタン共和国大統領に就任したナザルバエフ大統領が、一貫して強力なリーダーシップを発揮して政治・経済改革をすすめ政権を運営しており、エネルギー資源の輸出による収益などを背景に、政情は安定している。同大統領は2005年12月の大統領選挙でも圧倒的支持率(得票率91%:カザフスタン中央選管発表)で再選を果たした。

• (2)2007年5月の憲法改正により議会の権限が強化されるとともに、初代大統領に限り三選禁止の適用が除外され、ナザルバエフ政権の長期化の道が開かれた。2011年11月、ナザルバエフ大統領による下院解散を受け、2012年1月に総選挙を実施。全議席を独占していた与党「ヌル・オタン」が今回も圧勝したが、前回選挙で議席を有していなかった野党2政党も若干の議席を確保した。

外交・国防

1.外交基本方針

• (1)国境を接し、政治・経済面で密接な関係を有するロシアとの良好な関係維持を重視。ロシアを中心とするCIS関連の国際機関(ユーラシア経済共同体、集団安全保障条約機構など)にはあまねく参加している。

• (2)中国との関係も重視しており、上海協力機構(SCO)に創立時(2001年)より加盟。

• (3)米国、EU、日本とも良好な関係を維持している。

• (4)アジア信頼醸成措置会議(CICA)を主導するなど独自の国際的イニシアティブも発揮している。2010年にはOSCE(欧州安全保障協力機構)の議長国をつとめた。

2.軍事力

(1)総兵力39,000人(陸軍20,000人、海軍3,000人、空軍12,000人、その他4,000人)、準兵力31,500人

(ミリタリー・バランス2014)

(2)ロシア軍は国内数ヶ所(バイコヌール、サルイシャガン、エンバ)に少数が駐留している(カザフスタンに配備されていた戦略核兵器はロシアに移送済み)。

経済

((注)かっこ内は出典)

1.主要産業

鉱業、農業、冶金・金属加工

2.GDP

2035.2億ドル(2012年:IMF)

3.一人当たりGDP

11,983ドル(2012年:IMF)

4.経済(実質GDP)成長率

5.0%(2012年:IMF)

5.物価上昇率

5.1%(2012年:IMF)

6.失業率

5.3%(2012年:IMF)

7.貿易額

(1)輸出

476.06億ドル

(2)輸入

299.10億ドル

(2010年:IMF)

8.主要貿易品目

(1)輸出

石油、石油製品、無機化学品、貴金属、有機・無機化合物

(2)輸入

機械設備、食料品、鉄鋼、鋳鉄製管、中空形材、石油、石油製品、自動車

(カザフスタン共和国財務省関税委員会)

9.主要貿易相手国

(1)輸出

中国、イタリア、オランダ、ロシア、フランス

(2)輸入

ロシア、中国、ウクライナ、ドイツ、米国

(2012年:カザフスタン共和国財務省関税委員会)

10.通貨

テンゲ(Tenge:1993年11月15日導入)

11.為替レート

• 1ドル=182.92テンゲ(2014年5月現在:カザフスタン国立銀行)

• なお同国のテンゲ変動相場制への移行は1999年4月5日。

12.経済概況

• (1)石油、天然ガスなどのエネルギー資源、鉱物資源に恵まれた資源大国。石油埋蔵量は300億バレル(世界の1.8%)、天然ガス埋蔵量1.82兆立方メートル(世界の1.0%)(2009年BP統計)。また、レアメタルを含め非鉄金属も多種豊富である(ウラン、クロムの埋蔵量は世界2位、亜鉛は世界5位)。

• (2)旧ソ連崩壊後の苦しい経済状況の中、民営化を中心とする経済改革を推進、米国企業の参加するテンギス油田開発の始動などにより、1996年に独立以来初めてプラス成長を記録した。1998年には農業および重工業の低迷及びロシアの金融危機によりいったんはマイナス成長に転じた(前年比マイナス2.5%)ものの、1999年以降は再びプラス成長に転じ、世界的な石油価格の高騰を追い風に、2000年以降年平均10%という好調な経済成長を維持してきた。但し、2007年以降は金融危機による世界的な景気の減退とともに経済成長率は鈍化。その後、景気は回復し、近年は5%前後の成長率で推移。

• (3)カスピ海周辺では欧米石油メジャーや日系企業が参画し、大規模な油田開発、探鉱を行っている。原油の輸送ルートについては、従来のロシア経由に加え、コーカサス地域経由での欧州向けの輸出も開始されている。また、中国向けのパイプラインも整備された。

• (4)エネルギー・鉱物・資源開発への外資導入を重視すると同時に、イノベーションの推進により持続的発展に向けて産業の多様化を図っているが、産業構造は依然として石油ガスをはじめとする資源エネルギー分野に大きく偏っている。

• (5)2014年2月、カザフスタン国立銀行(中央銀行)は、農業や軽工業、加工業等の分野におけるカザフスタンの生産者、輸出業者、輸入代替生産者の競争力の向上を目的として、自国通貨テンゲの約20%切り下げを実施した。

経済協力

1.日本の援助実績

• (1)有償資金協力 約951.49億円 (2012年度までの累計)

• (2)無償資金協力 約61.37億円 (2012年度までの累計)

• (3)技術協力    約126.92億円 (2012年度までの累計)

2.主要援助国

米国、ドイツ、英国、フランス、ノルウェー

DAC諸国のODA実績(過去5年)(支出純額ベース、単位:百万ドル)

(出典:DAC/International Development Statistics)

暦年1位2位3位4位5位合計
2008年 米国 157.6 日本 37.9 ドイツ 18.4 英国 5.4 ノルウェー 4.9 233.1
2009年 米国 97.3 日本 37.1 ドイツ 17.5 英国 7.0 韓国 5.5 172.2
2010年 米国 68.1 ドイツ 13.6 ノルウェー 4.3 フランス 4.1 韓国 3.8 95.3
2011年 米国 36.4 ドイツ 5.9 フランス 3.3 ノルウェー 2.9 英国 2.7 32.1
2012年 米国 23.3 ドイツ 14.0 英国 5.2 フランス 3.3 ノルウェー 2.4 36.7